土壌動物観察会を開催!

皆さんが目にする木や草は、土がなければ自生することができません。そして、その土を作りだしている要因のひとつに土壌動物がいます。11月20日に開催された養老の森「土壌動物観察会」では、落ち葉の下や土壌に生息する生き物に視点をあてて観察しました。

講師は養老の森実行委員の皆越ようせい先生です。補助スタッフは松本祐樹先生(帝京科学大学フィールドミュージアム学芸員)と樋口諒先生(神奈川県立津久井高等学校教諭)、小嶋珠緒先生(昆虫研究家)、そして私守屋博文(養老の森実行委員)が勤めました。参加者は6名とこじんまりとした観察会でしたが、なかなか中身の濃いものとなりました。

今回のミッションは、皆越先生が山梨県から初めて発見したハナダカダンゴムシを見つけることです。参加者は指示された発見場所周辺に散らばり、一斉に落ち葉をかき分け、石や倒木を持ち上げ探し始めました。

 

 

ヤスデがいたー!これ何だ⁈ムカデだー!あちらこちらから歓声が聞こえますが、ハナダカダンゴムシはなかなか見つかりません。しかしさすが補助スタッフ、松本先生は地面にはいつくばって静かにしていると思ったら、ちゃんとザトウムシやカニムシの仲間をカメラに収めていました。そうこうしているうちに、雨が降り出してきたため、外での採集を切り上げ茅葺古民家に逃げ込みました。

茅葺古民家では、皆越先生に準備していただいた多くの写真を参加者の皆さんと見ながら、先生からの説明が加わるという贅沢な時間でした。ミミズやトビムシ、ダンゴムシやワラジムシ、ダニ、カニムシ、ヤスデやムカデなどの仲間を、それぞれの生態や形態、撮影エピソードのお話を交え紹介していただきました。また、採集してきた土壌動物を顕微鏡下で観察するのは、肉眼で見ることのできない不思議な世界を垣間見られる楽しい時間でした。

 

野外でのハナダカダンゴムシ発見の目標は達成できませんでしたが、多くの土壌動物の映像を拝見し、多くの種類に出会った気分になってしまいました。日頃目にしない土壌動物は、私たちが目にする森や林を成り立たせるためには必要不可欠な存在です。今後も、養老の森の生物多様性を見守るため、土の中の小さな生き物にも目を向けていきたいと思います。(文責:守屋博文 写真:松本佑樹・守屋博文)

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