5月15日(日)、2022年度 第1回昆虫まめ博士認定観察会を開催しました。当日は少し肌寒いものの、時折晴れ間の出る天気となりました。
虫かごや網を持ったご家族が茅葺古民家に集まり、いよいよ観察会のスタートです。今回の講師陣は、吉谷昭憲先生(昆虫研究家・養老の森実行委員)と松本祐樹先生(帝京科学大学フィールドミュージアム学芸員)、樋口諒先生(神奈川県立津久井高等学校教諭)、それと私守屋博文(養老の森実行委員)の4名。さすが虫好きの皆さん、目のいくところは地面や草の葉先、木の枝先など、探しなれていることが伺えます。
歩き始めてすぐに、「あ!いた!」という歓声が耳に入り、すぐにその場所に人だかりができました。その後、子どもたちは次々と虫やクモを発見し、網や虫かごの中に収めていきます。ポケット図鑑を持ち出し調べる親子や講師陣に詰め寄る子どもなど、いつもの観察会が戻って来ました。
草地ではニワハンミョウやキリギリスの幼虫、トゲアリ、ヒシバッタの一種などが見つかり、さらにヒートアップしましたが、大きなヤマビルが見つかり少しトーンダウン。夏になるとクワガタムシやオオムラサキが飛来するミズナラの葉には、オオミドリシジミの幼虫が潜んでいました。クリの木ではゴマダラオトシブミのゆりかごや枝先に膨らんだクリタマバチの虫こぶを観察しました。中にはオナガアゲハやウスバアゲハを採集した子どもさんもいて、ちょっと自慢気に皆さんに紹介していました。
子どもさんたちの好奇心は旺盛で、水辺があればすぐに何かを探し始めます。いつの間にか誰かがアカハライモリを採取し、松本先生のところに持ち寄り、危険を察知すると発する少し臭いにおいを体験。虫のことを一時忘れてオタマジャクシやアカハライモリ探しに没頭していました。
集合場所の茅葺古民家に戻ると、樋口先生によるアリジゴク教室開催です。幼虫時代をアリジゴクと呼ばれるウスバカゲロウの巣や幼虫を、縁の下に潜り込んで探していました。
子どもたちはまだまだ虫探しをしたい様子でしたが、内容の濃いあっという間の2時間でした。今年はこの後もイベントが開催できることを願っています。
観察会前の午前中、吉谷昭憲先生指導による自然工作教室が初めて開催されました。今回の作品はアオゲラです。用意された部品を両面テープや接着剤でつなぎ合わせ、最後にバネを付けたアオゲラを取り付けて完成です。アオゲラはキツツキの仲間で、木の中に潜んでいる虫をくちばしで突いて掘り出して食べます。バネにより頭が前後し木を突いている様子は、何とも癒される作品となりました。次回も計画していますので、ご参加お待ちしています。
(文責・写真 守屋博文:写真 松本祐樹)