梅雨が明けてからというもの、暑い日が続いています。
新型コロナウイルスの猛威により、春からのイベントはすべて中止となっていますが、養老の森をはじめ道志村での昆虫調査は継続して実施しています。
そんなある日の記録の一部を紹介します。
茅葺古民家を出発してすぐ目に入ったのが、ミズナラの樹液に頭を突っ込んでいたコクワガタとカナブン。
◆コクワガタとカナブン
観察会ではおなじみのミズナラですが、夕方にはカブトムシやシロスジカミキリ、フクラスズメも飛来していました。
すぐ近くのツツジの植え込みの葉で休んでいたのがアカハナカミキリ
この日は数回出会うことになりました。
◆アカハナカミキリ
養老の森中央口へ向けて歩いていると、道路わきのつる植物の茎に、アカクビナガハムシの赤色が目立ちました。
◆アカクビナガハムシ
中央口から養老の森までの道ではあまり虫の姿を確認できませんでしたが、歩いていくにつれて耳に入ってきたのがエゾゼミの鳴き声です。
ニイニイゼミの鳴き声はあちらこちらで確認でき、ミンミンゼミも数回確認し、朝方と夕方はヒグラシの大合唱。
西口から百年モミを経て東口にかけては、木の幹や枝葉、下草などにヒグラシの抜け殻がたくさん。
◆ヒグラシの抜け殻 ◆ヒグラシ(メス)
ヒグラシは個体数が多く、歩いていると木や草の中からこちらの気配に気が付き飛び立ち、衝突してくる場面もしばしばです。
この日は赤色の日なのか、コメツキムシも翅の赤いオオアカコメツキに出会いました。
◆オオアカコメツキ
百年モミの近くでは、コガネムシの幼虫を巣に運び込もうとしているトビイロケアリの集団に遭遇。
◆トビイロケアリ
倒木を屋根代わりに、雨をしのげる場所にすり鉢状の巣を構えたウスバカゲロウ。
個の巣にいるのは幼虫のアリジゴクで、林内にはトンボのような形をした成虫が、ひらひらとたくさん飛んでいました。
◆ウスバカゲロウの巣(アリジゴク)
東口に向かって歩き、大ケヤキの近くの道沿いで見つけた虫2種。
いずれもススキの葉に止まっていたものですが、一つはコメツキムシに似ている、ツマグロヒメコメツキモドキ。
◆ツマグロヒメコメツキモドキ
そして、今回紹介する最後の虫は、オバボタル。
◆オバボタル
幼虫は林内の少し湿った場所でミミズなどを食べ少し発光し、成虫になって時間がたつと発光しないようです。
昼間活動するので光っても確認できませんね。
ネイチャーランドオムに戻ってくると、キタキチョウが花に訪れ、オオムラサキが樹上を旋回し、キアゲハがウドの葉に産卵していました。
早く新型コロナウイルスが収束し、にぎやかな森に戻ることを願うだけです。
<養老の森 実行委員 守屋博文>